工場で稼働している産業用ロボットをネットワークで接続し、ロボットからの情報をサーバで集中管理することで、予防保全や故障予知を実現し、ダウンタイム(稼働停止時間)をゼロにするIoT技術。ロボットの機構部やシステムの状態を監視し、実際に故障を予知した場合には顧客に自動でメール通知したり、サービス員が電話連絡して注意を喚起することでダウンタイムを未然に防ぐことできる。 |
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世界に先駆けてIoTシステムの事業化を実現し、製品のIoT化による新たな顧客価値の創出とともに、収益事業として成功させた事業実績を高く評価。本システムは製造業における生産性向上や保守要員不足といった課題解決に寄与するという点に加え、製品のネットワーク化によるビッグデータ解析を通した新たなソリューションの提供という、情報通信技術を有効に活用したモデルを示したという観点での功績も大きい。 |
袋自体に柔剛切替機性を持たせるために、袋膜間に粉体を充填して三層構造とすることで、粉体充填量を少なくし、それにより高い柔軟性を特徴とする新たなグリッパ機構。 従来の袋型グリッパと比べて低い押付力でも対象物形状へのなじみ性が高く、さらに素材の工夫により耐切創性を保有するため鋭利な対象物でも袋が破けることなく把持することが可能。 |
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瓦礫群が存在する災害等での現場ニーズに対応した技術となっており実用的である点に加え、グリッパの機構だけでなく素材やグリッパの製造面に至るまで総合的に検討がなされるなど独自性が高く、学内でのベンチャービジネス支援プログラムにも採択されるなど、今後の事業展開が期待される点を高く評価。 |
脳卒中などによる下肢麻痺者を対象とする、リハビリテーション支援ロボット。運動学習理論に基づいた様々な機能を一つのロボットシステムにインテグレーションした。患者の能力に合わせた練習難易度の調整機能や、患者自身に状態をフィードバックする機能等を豊富に備えているほか、簡単な着脱、操作パネルによる一括操作など、ユーザー視点で作り込まれた機能、構造によって臨床現場での使い易さを実現している。 |
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既に存在する技術をもとに、豊富な現場ニーズを最大限取り込むことを念頭に置いて開発が行われており、リハビリ現場に導入されることを第一に考えた社会実装の面を高く評価。また、機器の導入だけでなく導入時に併せて必要な研修やベストプラクティスの共有が行われており、結果として当初の目標を大幅に上回るスピードで導入が進むなど、事業性の面でも今後が期待される。 |
農業用ドローンおよび生育診断クラウドサービスを稲作農家向けに提供する農業ビジネスで、ドローンを作物上空30〜50cmの至近距離を飛行させることにより、薬剤の飛散量を大幅に抑えるだけでなく、作物の生育状態を1株ごとにリアルタイムで診断し、その診断結果に基づいて最適量の肥料・農薬を1株単位の精度で散布する新しい精密農業の実現に取り組む。 |
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自動運転や自動散布、生育自動診断といった技術がドローンを活用したサービスとして実装されており、低空飛行ドローンによる新たな精密農業に取り組んでいるという先進性および独自性を高く評価。開発に当たっては農園と一体となって現場の課題を解決しながら進めており、米以外の農作物への応用の可能性があるなど、スマート農業の推進という観点からも今後が期待される。 |
ドローンと各種センシング技術を活用して、火山噴火時の立入制限区域内における地形情報、降灰厚、灰の種類、雨量に関する情報を遠隔から取得し、これらの情報を用いて現実に即した土石流発生予測を行うシミュレーションが可能となるシステムを開発。 |
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これまで困難であった噴火直後の立入制限区域において観測を行う技術を確立したことにより、現状の土石流シミュレーションの精度を大幅に向上させることができる実用性の面に加え、個々の観測技術を一つのシステムに統合したパッケージ技術として完結させている独創性を高く評価。また、本技術は火山だけでなく大雨や火災など他の災害への展開も期待され、本技術が持つ社会的なインパクトは十分に大きい。 |
ホタテ貝の選別、投入、加工処理の3つの工程により構成され、1時間あたり5,760枚分の加工処理能力を有するロボットシステム。貝に付着した異物を高速ブラッシングで除去するとともに、貝表面を水蒸気で瞬間的に加熱処理して上貝を吸着パッドで開口した後、内臓全体を吸引ノズルで瞬時に吸引排出し、下貝に残った貝柱を独自開発したカッターで自動切断することで、生の貝柱だけを回収することが可能。 |
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湧別漁業協同組合とともに現場の作業手順等を踏まえつつ開発を進めたことにより、個体差のあるホタテの加工自動化を実現することができ、ロボット技術適用の成功例といえる点を評価。また、日本の主要水産輸出品であるホタテ貝柱の安定供給と海外輸出の拡大にも寄与するとともに、北海道沿岸地域の基幹産業である水産加工業の持続的発展のモデルを示したことの功績は大きい。 |
労働集約型サービス産業の1領域である料亭において、料理を配膳場から客席前まで運搬するサービスを代替する搬送ロボットを導入することで、サービスの提供プロセスにロボットを組み込んだ取組。ロボットを従業員と顧客が混在するサービス提供現場で運用し、運搬プロセスをロボットが担うことで、接客係は料理を配膳に取りに行く必要がなく、配膳係は接客係まで料理を届ける必要がなくなるという運用を実現。 |
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業務運営上の品質管理面だけでなく、人間との衝突回避といった安全面を考慮しつつ、従業員・顧客・ロボットが同じサービス空間で共存するモデルを示したという社会実装の面を評価。また、ロボット導入前後の人流やロボットの動線などの各種データの計測を行い、その分析を通じて作業システムの改善やロボット稼働率の向上といった形で改良が進められており、今後の更なる展開が期待される。 |
可搬質量0.5Kg、最大リーチ350mmで本体質量が約7Kgという、小型軽量で卓上サイズの6軸垂直多関節ロボット。クレーンなどを使わずに人手で設置することができ、最小の設置面積でロボットシステムを構築することができるほか、装置の中に組み込むことも可能。 |
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小型化にあたり、従来の産業用ロボットとは異なり内骨格構造を採用することで、モータやケーブル、減速機などの構成要素をコンパクトに集約することを可能にした設計上の工夫に加え、小型かつ軽量でありながら十分な手先位置精度と加減速を実現しており、これまでに産業用ロボットの導入が進んでいない様々な作業工程に導入されていくことが期待される点を評価。 |
現場の荷物の持ち上げ・持ち下げの際に作業者の腰への負担を軽減する着るロボット。重量物を床付近から腰付近へ持ち上げるときにはアシスト機能、重量物を高い位置から床付近へ持ち下げるときにはブレーキ機能がそれぞれ自動的に適用されるほか、長時間着用しても快適さが維持できるよう、重量と通気性に配慮したデザインとしている。 |
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現場ニーズを踏まえた開発が行われており、重量も価格も低く抑えられているというユーザー視点の面を評価。既に製品化され受注実績もあることに加え、現場の作業に合うよう制御面から容易にカスタマイズできるため、人手作業を必要とする様々な現場への普及が期待される。 |
建設現場において床に打ち込んだコンクリートを平滑に仕上げる作業を省力化するロボット。こて1枚への加力が人による作業と同程度の重量となるように設計し、こてが回転しながら床に接した状態で床の上を移動することで、人がこてを使用して床を仕上げる作業と同等の効果を得ることが可能。 |
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バッテリー駆動により軽量化とともに騒音を減らし、建設現場への持ち込みや夜間での利用に配慮した設計が行われており、無線コントローラによる立位姿勢での操作及び事前走行範囲指定による自律運転が可能となるなど、建設現場のユーザーの使いやすさに徹した実用性の面を評価。 |
BIM(Building Information Modeling)を核とする情報化施工と、最先端技術を搭載した自律型ロボットから構成される次世代型の建築生産システム。溶接や内装仕上げ、資材運搬を行う自律型のロボットがBIM情報と連動し、人とロボットが協働した建設作業を実現する。 |
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現場での導入を前提とした開発が行われており、工事への適用も進んできている点に加え、他の作業への応用のほか、開発したロボットの他社への展開や研究機関等との共同開発を行っていく方向性など、今後の事業展開が期待される点を評価。 |
ロボットや自動化に携わる技術者の実践的なスキル向上と、自動化技術の体系的な教育の確立を目的に、メカニズム・アクチュエータ・コントローラ・センサなどのメカトロニクス要素技術のほか、生産システムを支える各種手法・ノウハウに関する教育を行う「自動化基礎講座」とともに、実務的な能力を客観的に判定し証明する「メカトロニクス技術者試験」を実施。 |
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若手の技術者に対する実務教育として、製造業の現場を熟知した実務家集団による解説のもと、理論と実践の両方をバランスよく養うという、企業ニーズに合致した教育の場を提供し続けてきた点に加え、これまで自動化基礎講座において20年間の累計で延べ約10,000人が受講するなど、長期にわたり積み重ねられてきた実績を評価。 |