第5回 ロボット大賞 (経済産業大臣賞)
中小・ベンチャー企業賞 (中小企業庁長官賞)
日本機械工業連合会会長賞
次世代産業特別賞
社会貢献特別賞
優秀賞 ― サービスロボット部門
優秀賞 ― 産業用ロボット部門
優秀賞 ― 公共・フロンティアロボット部門
優秀賞 ― 部品・ソフトウェア部門
優秀賞 ― ロボットビジネス/社会実装部門
生活支援ロボットソリューション事業の推進
パナソニック株式会社
松下記念病院
薬剤関連ロボットや自律搬送ロボット等を、病院を模擬した環境に展示することで、顧客に導入イメージを形成し、コンサルティングによって病院の現場と経営の課題を総合的に検討した上でロボットを用いたソリューションを提案し、病院へのロボット導入に繋げるビジネスモデル。
従来型のサービスロボット単体売りではなく、同社のロボット群と周辺機器を組み合わせたソリューションを商品とすることで、ロボットの利点が最大限活かせる周辺環境とともにロボットを導入できるビジネスモデルを実現している点が評価された。
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ロボット用3次元ビジョンセンサ 「TVSシリーズ」
株式会社三次元メディア
バラ積みピッキングやアライメント(位置合わせ)用途の3次元ビジョンセンサ。各メーカーのロボットに接続可能なインタフェースや連携プログラムを用意しており、導入が容易である。
ニーズが高いバラ積みピッキングに適した3次元ビジョンセンサとして開発され、複数メーカーのロボットに対応可能である点が評価された。今後、同センサの利活用の実績が広がるものと期待される。
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知能化組立ロボット「Fシリーズ」
三菱電機株式会社
知能化技術を実装したロボットに、力覚センサや3次元ビジョンセンサなどを組み合わせた知能化ソリューションとして提供することで、力覚制御やバラ積みピッキングなどを利用しやすくした。また同社では、これらを活用したサーマルリレー組立セルなどを構築し、導入を進めている。
(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構による委託事業の開発成果をパッケージ展開することで、高度な知能化技術を扱いやすくしたことに加え、これらを活用したロボットセル(ロボットによるセル生産)により複雑な組立作業が行えることを示し、変種変量生産に対応するロボットセルの可能性を広げた点が評価された。
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フレキシブルな自動組立ラインを実現するヒト型ロボット「NEXTAGE」
グローリー株式会社
川田工業株式会社
可動式頭部カメラ及び双腕を備えた、人間と同程度の大きさのヒト型産業用ロボット。手作業の高い柔軟性を再現するため、道具や装置を利用して、多種の作業や製造方法の変更に対応できる。ケーブルやゴムバンド等の柔軟物を扱う貨幣処理機組立工程に活用されている。
器用に動く双腕等によって、人間が行う作業をそのまま置換するという、従来の産業用ロボットとは異なる発想で自動化を達成。次世代の生産ラインの構築が期待される点が評価された。
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原発対応ロボット「Quince/Rosemary」
千葉工業大学
東京電力福島第一原子力発電所事故の収束及び今後の廃止措置に向けた作業に導入されているモニタリングロボット。高い走行性能によって様々な条件の段差や階段に対応し、現地の状況に合わせて通信方法や操縦性に改良を加えられている。
ロボットを現場に導入するために必要な現場作業ニーズとの擦り合わせや操縦者の訓練などを積極的に行い、長期間にわたって有効に活用されている点が評価された。
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球面超音波モータを使用した「管内検査ロボット」
株式会社キュー・アイ
東京農工大学
水道管や工場配管等の管内を検査するロボット。先端部に球面超音波モータを用いることで、カメラ部小型化と視野拡大を同時に達成し、これまで不可能であった小口径・曲がり管の詳細検査を可能としている。
球面超音波モータの最適な利用方法を示すとともに、配管検査用カメラでの実績を背景に、容易に扱える管内検査カメラロボットとしてまとめ上げた点が評価された。
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ロボットの自在性を活かした「3次元鋼管曲げ(3DQ)ロボット」
新日鐵住金株式会社
住友鋼管株式会社
日鉄住金プラント株式会社
株式会社安川電機
鋼管に対する3次元的な熱間曲げ焼き入れ加工を一工程で実施する産業用ロボット。既に複数の自動車部品の生産で活用されており、鋼管による車体構造を実現し、自動車の軽量化と高強度化を両立。
塑性加工の専門知識を背景に、ロボットによる複雑形状の超ハイテン(高強度化)鋼管部材の製造を実現したことと、ロボットの利用により生産システムを簡素化したことを評価。また、クルマの環境性能と衝突安全性の両立に寄与し、有効な生産システムになり得る点も評価された。
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自律型海中ロボット「Tuna-Sand」
東京大学生産技術研究所 浦研究室
株式会社海洋工学研究所
独立行政法人海上技術安全研究所
ケーブルに移動を制限されることなく広範囲の海底面を全自動で探査することが可能な自律型海中ロボット。2010年に富山湾においてベニズワイガニの生態を解明。水産資源や海底鉱資源調査への活用が期待される。
従来に無い、高精度な自動観測が可能で、海底地点の詳細画像の撮影に成功するなど情報収集で高い実績をあげている。海底調査は周りを海に囲まれる日本とって必要不可欠であり、それを支援する重要なシステムである点が評価された。
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次世代ロボット向けRTシステム「SEED Solutions」
THK株式会社
FA向けの小型の分散ネットワーク制御システムを構築するための相互通信機能、モータ等の制御機能、ドライバ及び開発・設定環境等を一体化した小型のモジュール。
アクチュエータやコントローラ、ドライバなどロボットの構成要素をコンパクトにまとめており、その利用によりロボット用エンドエフェクタ(ハンド等)を容易に構築できる。FA分野はもちろん、組込み分野等の他業界、教育分野など幅広い利用が見込まれる点が評価された。
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災害現場で活躍する「次世代無人化施工システム」
東京電力福島第一原子力発電所災害復旧工事
-鹿島建設株式会社-
野迫川村北股地区の斜面崩壊災害復旧工事
-株式会社熊谷組-
鹿島建設株式会社
株式会社熊谷組
有人での復旧作業が困難な大規模災害現場において、建設機械等を遠隔操作して工事を行うシステム。2011年、東京電力福島第一原子力発電所での瓦礫撤去や、台風12号による奈良県の天然ダム対策等において、迅速に施工システムを構築して対応した。
遠隔操作システムやオペレータの状況を常に把握し、また、運用のたびにシステムのブラッシュアップやオペレータの教育を行うことで、現場に即導入できる体制を敷いている。海外製ロボットに先行して、東京電力福島第一原子力発電所事故に対応できた要因がここにあり、事故対応での高い実績に加え、こうした普段から技術を維持する姿勢が評価された。
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