キーメッセージ: サービスロボットの市場創出
富士重工業は「ロボットによるビルの清掃システム」で受賞。日本で清掃にかかわる人材は高齢化している上、作業は夜間・早朝が中心というのが現状です。
また、セキュリティの観点から、清掃員の身元確認を行うなどのコストがかかります。
さらに最近では、設備環境に対する要求もより高まっているため、清掃品質を高いレベルでしかも均一にすることが求められています。
ロボットであればこれらを解決できるため、市場の創出が見込めるとして開発されました。
私たちがビル清掃にロボットを普及させるために必要だったのは、ロボット自らがエレベーターを操作し、複数フロアを清掃することです。1フロアの清掃のみでは、導入費用が人件費に勝てません。ビル全体を清掃できるよう開発を進めた結果、晴海トリトンスクエアや六本木ヒルズなどの高層ビルに導入されました。従来はビルのホールや廊下など共有部分だけを清掃するシステムを提供していましたが、オフィス入居者の専有部分も清掃可能な新製品を2009国際ロボット展会期中に発表しました。
今後の課題は民間オフィスビル以外への導入と、エレベーターでの人との同乗です。より安全性を高めながら、ファイナンス面での障害を乗り越える方法を検討しています。ロボットに注目しすぎて、それを“主”と捉えがちですが、ロボットは目的のために使われる機械で、“従”です。市場ありきで考えれば取るべきパイは十分に見つかると思います。