ZDT(ゼロダウンタイム)
[ファナック株式会社]
概要
工場で稼働している産業用ロボットをネットワークで接続し、ロボットからの情報をサーバで集中管理することで、予防保全や故障予知を実現し、ダウンタイム(稼働停止時間)をゼロにするIoT技術。ロボットの機構部やシステムの状態を監視し、実際に故障を予知した場合には顧客に自動でメール通知したり、サービス員が電話連絡して注意を喚起することでダウンタイムを未然に防ぐことできる。
評価のポイント
世界に先駆けてIoTシステムの事業化を実現し、製品のIoT化による新たな顧客価値の創出とともに、収益事業として成功させた事業実績を高く評価。本システムは製造業における生産性向上や保守要員不足といった課題解決に寄与するという点に加え、製品のネットワーク化によるビッグデータ解析を通した新たなソリューションの提供という、情報通信技術を有効に活用したモデルを示したという観点での功績も大きい。
製造現場のダウンタイムをゼロにする、 実用的なIoT商品
概要
大規模な生産ラインになるほど、ロボット1台のトラブルがきっ かけで長時間のライン停止に至る事態となることがあります。この ような長時間のライン停止を防止するには、アラーム停止する前に 異常を通知する、または事前に保守を促すなど、「壊れる前に知ら せる」予防保全が重要となります。また、保守費用の削減、不足する 保全作業員の負担低減の観点からも、予防保全に関する要望が増 えつつあります。ZDTでは、予防保全に役立つ様々な機能を組み合 わせ、それらの情報をサーバで集中管理、異常検知時には前もって顧客に通知することで、ロボットの稼働率向上をサポートします。
ZDTの特長
ZDTのIoT技術により、複数の国、複数の工場に設置されている多 数のロボットをネットワークで接続し、集まったビッグデータをもと に、故障予知や異常検出を行い、必要に応じ顧客にその旨を通知す ることで、顧客は実際の故障前に保守を行うことができ、結果とし て、ダウンタイムをゼロにすることができます。この、多数の機械を 繋げて、多くのデータを集め、解析し、故障を予知した場合にはそれ を顧客に通知するという一連の流れを20,000台のロボットで世界 に先駆けて実現しています。
ZDTには、以下の主要機能があります。
•機構部の状態診断: 減速機診断、トルク診断等
•プロセスの状態診断: 稼働状況、ビジョン検出結果、 溶接詳細情報、変更履歴等
•システムの状態診断: エラー情報、メモリ使用量等
•予防保全: グリース交換などの保守時期通知等
これらの機能から得られる保守情報は、データセンタに保存し、 スマートフォンなどへ遠隔通知することができます。
実績、展開
ZDTは現在、全世界で20,000台のロボットと接続し、以下のよう な異常検出、故障予知などによって、3年間で390台以上のロボット のダウンタイムを阻止しています。
•自動車の車体製造ラインのスポット溶接ロボットや洗浄ロボッ トの減速機の故障を予知、通知
•スポット溶接ロボットのサーボガンの異常を検知、ボルト緩みを 発見、通知
•ロボット制御装置のバッテリの低下を検知、通知
•塗装ロボットのギヤの異常摩耗を早期に検知、通知
ファナックでは、ZDTをオープンプラットフォームであるFIELDシス テムへ拡張し、ロボットのみならず、工場で使用する他の機器の監視もできるようにしました。更にはAI技術を取り入れた故障予知な ど知能化機能を開発し、ZDTは進化を続けています。