自動ページめくり器 「ブックタイム」
[株式会社西澤電機計器製作所]
概要
世界初の「人がページをめくる指の動き」を一枚分離機構で再現し、簡単なスイッチ操作により、右めくり・左めくりができる読書支援ロボット。自力で本のページをめくれない方も、自分のペースで読書ができ、QOLの向上や介護者の負担軽減が図れる。使いやすさ、安全性などのユーザビリティを追求した。A4判~文庫本サイズ、厚さ3cm以下の本に対応。
評価のポイント
自動ページめくり器「ブックタイム」の技術的特徴
ページめくり器における最も重要な機能は紙の一枚分離機 能です。本自動ページめくり器「ブックタイム」は、ページ面を ラバー付アームがスライド移動することにより紙を座屈させ る世界初のスライドアーム方式一枚分離機構を用いていま す。人がページをめくる時の指の動きに近い紙の座屈動作を するため、可動部のスペースが小さくて済み、機械的な威圧 感も無く、親しみやすいものになっています。この一枚分離機 構は、ページのコーナー部で紙を座屈させることにより最小 の力での座屈が可能となり、使用モータの低トルク化・小形化 ができました。また、ページめくり器における経済性と確実な めくり動作の両立を図るためにモータ個数の最適化を追求し ました。ページめくり機構の各可動部が最適なタイミングで 動作をするために必要とする最少のモータ個数にしていま す。なお、肢体不自由者が使い慣れた自分の入力スイッチを 使用できるように、外部入力スイッチ接続機構を設けています。さらに、本のセッティング方法の簡易化を追求し、介護者 の負担軽減を図りました。本の着脱スイッチによりワンタッチ で縦横のページ押さえアームの固定と開放の操作を行い、伸 縮自在の背表紙固定ワイヤーにより本を書見台に取り付ける方式にしています。
豊富な知能化機能
肢体不自由者にとっての利便性向上のために豊富な知能化 機能を持たせています。 スキャン機能: 使用者は左めくり、右めくりのスキャンランプ の点灯方向を見ながら、めくり入力信号を印加してページ をめくることができます。また、スキャンランプが左右交互 に点滅する速度をスイッチにより5段階に設定可能にしてあ るので、使用者に適したスキャン速度にできます。 連続めくり機能: めくり入力信号を「所定の時間長さ」よりも 長く印加することにより、10ページ連続めくりができます。 また、「所定の時間長さ」をスイッチにより5段階に設定可能 にしてあるので、使用者に適した入力信号印加時間にでき ます。 緊急停止機能: めくり動作中に緊急停止を必要とする場合 は、めくり入力信号を再度印加することにより瞬時にめくり動 作を停止する「緊急停止」ができます。 ページしわ伸ばし機能: ページめくり動作中にページ押さえ アームによるしわ伸ばし動作を入れ、ページ面の文字を見 やすくしています。
呼吸器スイッチを使用してめくり操作
安全対策/市場化・事業化の工夫、ビジネスモデル等について
自動ページめくり器は種々の安全対策を施し、安心してご使 用いただけるものとなっています。 電源はUL規格やCEマーキングに対応したACアダプターを 使用し、本体はDC12Vの電圧で動作させています。DC12V という電圧値は万が一人体に感電しても十分安全な値です。 ユーザーや子供が機械部に触れにくくするために優美なプラスチック絶縁カバーで本体部を覆っています。 使用モータはDC12V電圧で動作するマイクロモータにより 構成し、万が一機械可動部に手を触れても人体に損傷を与え ない程度の小トルクのモータを選択しています。 装置内にコーヒーなどの飲み物がこぼれても装置が故障しな いように、電子制御回路に専用保護カバーを設けています。 マイコン制御回路がノイズ誤動作を生じないように、入出力 回路にバッファICを挿入し、プルアップ抵抗を設けています。 また、動作方式をアクティブロウ方式としています。
2005年2月販売開始以来、国際福祉機器展、バリアフリー 展、全国脊髄損傷者連合会や日本筋ジストロフィー協会な どの身体障害者団体の展示会に積極的に参加し、デモンス トレーションを実施し、大変大きな反響をいただいていま す。また、新聞・テレビ等のマスコミで幾度となく取り上げら れ、高い評価・関心をいただいています。さらに、継続的なデ モ機貸し出しによる体験販売を通じてユーザー様からの貴 重なご意見・ご要望をいただき、これに基づいて性能向上に 努めています。 2007年には、JETROの協力を得て米国市場に進出し、UL 化やCEマーキング対応を図り米国経由で欧州への進出も始 まりました。現在、国内・海外を合わせて100台の売上を達成 しています。今後、欧州、アジア等へのグローバル展開によ り、市場拡販を確実に進めていきます。
実用化開発研究会風景
今後の展開
今後もユーザーの声を商品に反映させながら、安全性、利便 性の高い読書支援ロボットづくりを目指します。また、培った ページめくり技術を有効に利用できるように用途開発を行 い、社会に貢献できる新製品開発および市場拡販を進めてい く方針です。