組込型ロボット XR-Gシリーズ
[株式会社デンソーウェーブ]
概要
自動生産設備の大幅な生産性向上に貢献する小型組立て搬送用ロボット。直動軸と回転軸を組み合わせ、動作を大幅に高速化するとともに、天吊り構造により対象物の搬送距離を最短にでき、作業の高速化を実現。また、この構造により、生産設備を小型コンパクト化できる。2008年4月発売後、自動車、電機・電子、工作機械業界向けに販売中。
評価のポイント
ムダを省くロボット
ロボットを使った生産設備の進化は日本の物作りの源泉で す。従来、大規模なラインで多くのロボットを使い生産性向上 を図ってきました。しかし省エネルギー、環境保全、資源枯渇 といった世界的な潮流に適合するために、デンソーウェーブ では、「ムダを省く」ことで生産設備の生産性向上に貢献でき るロボットの開発を進めてきました。 そのムダとは 1.時間のムダ 2.空間のムダ 3.エネルギーのムダ 4.コストのムダ の4つです。 生産設備においては、製品になんらかの手が加えられる加工 時間と、一つの加工が終了してから次の加工を行う場所への 移動時間に分けられます。 時間のムダを省くとは、製品になんら付加価値を生まない移 動時間を短縮することです。それは、従来からの手法である 高速化はもちろん、さらに生産設備を小さくして移動距離そ のものを短くすることでも可能です。 空間のムダを省くとは、生産設備を小型化して工場の設置面 積を有効に使うことです。 エネルギーのムダを省くとは、生産設備やロボットを小型軽 量にして移動するエネルギーを節約することや、使用材料の 低減をすることです。 コストのムダを省くとは、ロボットの機能を最大限に活用して 生産設備に付帯しているコンベアやセンサ類を無くすことで す。設備適合型小型組立ロボットXR-Gシリーズは、これら4 つのムダを省くために、新たな発想のもとに生まれました。
XRロボットの特長
従来は、生産設備の中央にまずロボットを配置した後、ロボッ トが扱う部品を周りに配置し、どのように動かすかを検討して きました。 XRロボットを用いた生産設備では、最初に部品の移動を最 小にする配置を決めた後、ロボットを配置することが可能とな り、理想の生産設備を実現できます。そのために、XRロボット は小型組立ロボットとしては、初の以下の機構を採用いたし ました。ひとつめは、直動軸(X軸)と回転軸(R軸)を組み合わせた構 造の採用で、ロボットの動作を大幅に高速化できました。ふたつめは、天吊り構造の採用で、自分自身の直下の領域も 動作できるため、ロボットが移動する部品の移動距離を最短 にすることができました。このふたつの構造が相乗効果を生み、大幅な移動時間の短 縮を実現できました。 またロボットはテレスコピック(多段伸縮)式上下機構などの小 型化技術により、生産設備上部の空きスペースにムダなく収 納できます。一例として写真のようにXRロボットを使用した4 工程組付け生産設備を見てみますと、ひとつの工程の幅が約 400mmで構成でき、小型でコンパクトな生産設備を実現し ています。またXRロボットは、自工程で組付け完了した部品を 隣の工程へ運ぶこともできるのでコンベアが不要となります。 このようにXRロボットを使うことで4つのムダを省くことがで き、生産設備の大幅な生産性向上を実現することができます。
簡単導入・容易な保守
XRロボットは、お客様に簡単に使っていただくための、オプ ションも取り揃えています。特に天吊り構造のため、ロボット を吊る支柱をどのようにすればよいかという点はお客様を悩 ませると考え、専用の支柱を2種類用意しました。その他、ロ ボットハンド用の4連電磁弁、信号用ケーブルなども取り揃え ています。 また導入後の保守につきましても、容易に各軸毎に分解する ことができるため現場での修理及び復帰、オーバーホールが 素早く実施できます。
導入拡大と今後の展開
2007年11月の国際ロボット展に参考出品したところ、生産 システムまで踏み込んで開発されたロボットということでた いへん大きな反響を頂きました。04月発売後は自動車、電 機・電子業界のみならず、工作機械、医療、化学と様々な業界 からお問い合わせいただいています。 今後はお客様から頂いた様々なご意見を反映し、防滴、クリー ンなどバリエーション展開を計画しています。