消防ロボット
[株式会社小松製作所 株式会社アイヴィス 株式会社アイデンビデオトロニクス 株式会社サイヴァース 株式会社マルマテクニカ]
概要
人間では危険で近づけない火元まで近づいて消火作業ができる無線遠隔操縦の消防ロボット。小型なロボットのため狭い場所でも侵入でき、高画質・広画角の8眼マルチカメラによるパノラマ映像伝送や多チャンネル化による10台の映像伝送機能は、消防ロボット10台の同時使用も可能とし、より効率的な早期消火を実現している。毎分5000リットルと消防士が持つ消火ノズルの10倍の消火能力を誇るとともに、人間では高熱にさらされる危険な状況でも、安全な場所から遠隔で大量放水を可能とし、大幅な安全性向上にも寄与している。現在、東京消防庁に2台配備され、今後随時追加配備予定である。消防の中でもレスキュー隊と呼ばれる特殊部隊が出動する大規模火災、危険度の高い現場での利用を想定。
評価のポイント
特殊部隊を支援する無線遠隔操作の消防ロボット
人間では危険で近づけない火元まで近づいて消火 作業ができる無線遠隔操縦の消防ロボットです。小 型なロボットのため狭い場所でも侵入でき、高画質・ 広画角の8眼マルチカメラによるパノラマ映像伝送 や多チャンネル化による映像伝送機能は、消防ロ ボット10台の同時使用を可能とし、より効率的な早 期消火を実現しています。毎分5000リットルと消防士が持つ消火ノズルの10倍の消火能力を誇ると ともに、人間では高熱にさらされる危険な状況でも、 安全な場所から遠隔で大量放水を可能とし、大幅な 安全性向上にも寄与しています。現在、東京消防庁 に2台配備され、今後随時追加配備予定です。消防 の中でもレスキュー隊と呼ばれる特殊部隊が出動す る大規模火災、危険度の高い現場での利用を想定し ています。
無線による車載カメラによるパノラマ映像伝送技術を採用/パノラマカメラ映像合成装置
従来の有線カメラ映像伝送装置では、有線ケーブル の切断恐れがあるので、障害物のある場所には侵入 が不可能。また監視用カメラを使用しているので、パ ン・チルト・ズーム機構が車体の振動で破損してしま います。さらに単眼カメラなので視野角が狭く、操縦 者は安全確認に不安があり作業能率が悪いという 課題がありましたが、本ロボットに搭載したパノラマ 映像伝送技術では上記課題を全て解決しました。
コンパクトな130万画素CMOSカメラを水平方向 に4個、垂直方向に4個装着し、ひとつの映像に合成 する事により、水平パノラマ150度、垂直パノラマ 150度の画角を可能にしました。カメラ制御機能に より、操縦者は4倍又は16倍の映像に手元で切り換 えられます。DSPをカメラ部分にマウントし、独自の 画素処理を考案する事によりリアルタイムに画像合 成することを可能にしました。
映像伝送装置/実際に大火事に出動し活躍
申請不要の2.4GHz帯で10chを可能にする OFDM方式(地上波デジタルと同じ変調方式)の送 受信機を採用しました。64QAM、ダイバーシティアンテナの採用により、マルチパスの影響を受けにく いクリアな映像を遅延時間80m秒以下で伝送する ことが可能となりました。伝送画質は毎秒30フレー ムで640×480pixの高画質を確保しています。伝 送距離は半径300m以上が可能です。
本ロボットはその性格上頻繁に出動するわけではな く、毎日訓練に使用されています。これまで大火事で 2回出動しました。特に新宿高田馬場のスーパーの 火事では最先端で放水している状況がTV放映され ました。
委託開発事業による商品化の成果/今後の展開
消防ロボットと言われる商品は、従来有線による遠 隔操作と監視カメラを応用した物で技術的には最先 端とは言い難い物でした。そもそも市場そのものも 存在せず、新たな開発は困難でした。幸い有線を無 線に置き換えることについては、ラジコン建機の技 術が応用できたので、実用性に富んだ信頼性の高い システムを搭載することができました。しかし肝心の ロボットの眼に相当する映像伝送については、ベー スになる建機ロボット(ラジコン建機)市場も年間 20-30台とニッチ市場なので技術開発は困難でし た。今回の車載型パノラマ映像伝送システムのベー スは、平成15年~17年にかけて4社コンソーシア ムで実施した、中小企業基盤整備機構の委託開発事 業の成果に依るところが非常に大きいです。本機は この成果を商品化する事により平成19年3月に納 入されました。
消防ロボットの市場としては、今後年に2台程度が 継続的に見込まれますが、建機ロボット市場でも車 載型映像伝送システムのニーズは高いので、年に 15台は見込まれます。また映像システム単独とし ては、既に市場にあるラジコン建機への後付け用と して、ここ数年程はまとまった数が見込まれていま す。金額的には5年間で26-40億円と予測してい ます。これから災害復旧や大規模地震・噴火への備 えが始まり、爆弾・地雷処理などの世界平和への貢 献事業が盛んになれば、更に建機ロボットの市場は 広がる事は確実であると考えます。