水田に浮かべる自動抑草ロボット「アイガモロボ」
[株式会社NEWGREEN]
概要
化石燃料や化学農薬、人の手を使わずに自動で走行する水田抑草ロボット。農研機構との実証実験では、収量が1割増加し、除草工数が6割削減された。特に有機農業に取り組む農業者からの期待が高く、2023年には、500台を製造・販売した(完売)。また、G7農業大臣会合で展示された他、中国やベトナムでの実証実験が開始されるなど、国内外から注目を集めている。さらに、今後10年間で数万台の販売を計画している。
評価のポイント
世界初の自動水田抑草ロボットを実用化した。全国の有機農業者等からの要望を受け、2023年には限定500台を完売した実績があり、全国広範囲に導入実績がある。国内の販売と同時に、中国、ベトナム、フィリピン、カナダなどからも要望を受け、現在各国で実証実験を開始している。また、改良を加えた安価版も既に開発済みで、来年発売予定であるという点から、将来性も高く評価できる。なお、ロボットの販売と同時に、生産された有機米を買い取るというビジネスモデルも展開し、実績を出している。
世界初の製品化 水田用 抑草ロボット
おコメの有機栽培の最大の障壁「除草」を省力化
有機食品市場が世界的に急速な成長を続けています。国内でも 市場規模は2,240億円(2022年時点)と言われ、農水省が2022 年に行った調査によると「毎日、有機食品を食べる」との回答は 16.5%にのぼります。一方で、有機JAS認定を受けたおコメの栽 培比率は0.1~0.2%に留まっており、需要に対して供給が全く追 いついていない状況です。 おコメの有機栽培が拡大していない最大の理由は「雑草対策」で す。有機栽培では除草剤を使用しないため、機械や手で除草の作業 をしなくてはならず、通常の1.5倍の労働時間が必要でした。私た ち、株式会社NEWGREENは、この課題を解決するためにアイガモ ロボの開発を進めてきました。 2022年、実用化に向けたプロトタイプ210台で行った全国36 箇所の実証実験では、除草工数が平均58%削減され、収穫量を平 均10%増加させることができました。十分な抑草効果と省力化、経 済性を両立したことで、世界で初めて製品化に成功し、2023年に は500台を製造、全数を井関農機から販売しています。
アイガモロボの特徴・独自性
世界初の製品化に成功したポイントは、エネルギー効率を良くす るために「浮かべた」こと、「草を取る」から「抑草する」へ発想を転換 したこと、ソーラーパネルと自動航行システムによりエネルギー補 給や操縦の「手間がない」ことの3点です。 アイガモロボは抑草効果だけではなく、稲を食害する「ジャンボタ ニシ」の被害軽減や、水田から発生する温室効果ガスである「メタ ン」の削減の効果も確認されており、大学や国と連携した効果検証 を進めています。
アイガモロボによる雑草の抑草メカニズム
日本から、世界へ
アイガモロボはG7農業大臣会合でも実演・展示され、世界各国 から注目を集めています。2024年度は中国、ベトナム、カナダ、 フィリピンで、現地の研究機関や大学、コメの流通事業者と連携し、 現地での実証を推進しています。 日本発の技術で、日本・世界の農業をより豊かにするべく、国内外 での実証や導入いただいた農業者からのフィードバックをもとに、 今後もアイガモロボは進化を続けていきます。