次世代ロボット向けRTシステム「SEED Solutions」
[THK株式会社]
概要
FA向けの小型の分散ネットワーク制御システムを構築するための相互通信機能、モータ等の制御機能、ドライバ及び開発・設定環境等を一体化した小型のモジュール。
評価のポイント
アクチュエータやコントローラ、ドライバなどロボットの構成要素をコンパクトにまとめており、その利用によりロボット用エンドエフェクタ(ハンド等)を容易に構築できる。FA分野はもちろん、組込み分野等の他業界、教育分野など幅広い利用が見込まれる点が評価された。
お客様の知能機械化ニーズをSmartに実現する RTシステムソリューション
知能機械化をSmartに実現するRT要素部品群
ものづくりにおけるFactory Automation (以後FA)分野では、FA システムの統合的なラインナップにより、ユーザーは多くの選択肢の 中から機器を選択し、用途に応じた生産設備を効率的に構築すること が可能です。RT分野ではRTシステムを統合的にラインナップしたも のは存在していなかったため、これまでのサービスロボットは、ベース システムからの開発に多くの時間と費用がかかっていました。 これを解決するためには、RTシステムの3要素である制御・認知・行 動の各機能と通信機能を内蔵した、小型で分散ネットワーク制御に対 応したリーズナブルなシステムが必要となります。SEEDは、CAN通信 をベースとした相互通信、モータ制御、各種アクチュエータ制御、ネットワーク通信、さらに開発・設定環境を統合的にラインナップした、RT要 素部品群です。 SEEDをベースとした、RTシステムを構築することによって、ベース システム構築に要していた時間を短縮でき、開発期間の短縮とコスト 削減が可能となります。
SEED基本機能
小型クリアケースに凝縮された高機能モジュール
◎ SEED Driver(小型通信コントローラドライバ)
外形23×38×10mmまたは35×35×10mmの小型プラスチック パッケージに、CAN通機能、モータ制御機能、PLC/他のDriverのコ ントロール機能、外部入出力機能を凝縮。最大14軸までデイジーチ ェイン接続を行い、相互コントロール機能により、SEED Driverのみ の構成による多軸システムの制御が可能です。動作スクリプトは 100Step/8パターン、ポイントデータは256ポイントの記録が可能 で、各種アクチュエータをラインナップしており、専用Editorが用意さ れています。 これまではサービスロボットに搭載可能な直動アクチュエータが存 在せず、回転型の減速機付きアクチュエータが用いられていました。 SEEDは、小型・軽量・ハイパワーな直動アクチュエータをラインナップ。 高剛性で効率が良く、人間に近いレイアウトのロボットを実現可能です。 これらは、SEED-Editorを使って、デイジーチェインされたDriverに対し、パラメータ設定、マニュアル操作、動作設定、ポイントデータの編 集をシームレスに行うことができます。
◎SEED-MS(プログラマブルプロトコルコンバータ)
SEEDだけでは構築できないRT機器では、他のRTシステムとの接 続が必要となります。MSは多くのシリアル通信機能をプログラマブル に利用できるモジュールで、システム間のブリッジ機能だけでなく、 SEEDシステムのコントロールが可能です。MSは、SEED-SDKとい う統合開発環境でプログラムの開発が可能です。基本的な設定や動作 関数がパッケージされており、入門から本格的な運用まで利用可能と なっています。
◎SEED-PC(省電力リモートアクセスPC)
通常の開発に用いられるPCと、CAN通信、A/D、Dio等の入出力機 能を名刺半分のサイズに凝縮。3Wの省電力ながら、PCベースのOS やロボット向けアプリケーション、開発環境、USB機器、インターネット 環境をロボット本体に組み込むことが可能です。 これらのモジュールは、配線1本でデイジーチェインするだけで、8~ 24Vの電源供給とCAN通信を行うことができ、アクチュエータの分散 制御を実現します。このように、SEEDは接続環境が統一され、開発環境が整備されて いることによって、次世代ロボットシステム開発をサポートします。
SEED接続例
RT教育から、民生分野、FA分野でのRT化を推進
SEED Solutionsは、3つのカテゴリーを軸に活動を行っています。
<e-SEED> 教育機関、ロボット研究分野
RT産業の発展には、RTエンジニアの育成が重要です。しかし、RT教 育を行える人材と、基礎から実使用に耐えられる教材が不足していま す。そこで、SEEDを用いることで、RT教育のカリキュラムを作成し授 業を行い、そのまま研究レベル、さらに実働レベルのロボットを製作す ることができます。 また、PCとの接続性が高いので、PCアプリケーションから簡単に制 御を行うことが可能です。さらにFA環境にも適応可能な、高信頼性の アクチュエータシステムを用いた研究機器の製作も可能です。
<b-SEED>民生分野
民生分野でも、高度に知能化されたシステムが望まれています。しかし、生産数の少ないシステムの開発には多くの費用をかけられません。 そこで、SEEDにラインナップされている機能を組合せることで、簡 単にリーズナブルな民生用RT機器を構築することができます。
<i-SEED>FA分野
FA分野では人件費の削減から生産の自動化が進んでいますが、従 来の集中配線方式のロボットシステムの構築に多くの時間と費用がか かります。 SEEDを用いれば、小型、簡単、省配線、分散制御等の特長を活かし、 制御BOXレスで、ローコストかつ小型な次世代生産設備の構築が可能 になります。
SEED アプリケーション例
宇宙空間でも活躍中/次世代ロボット産業の発展に貢献
JAXA REX-JプロジェクトのハンドユニットもSEEDアプリケー ションです。世界初の暴露環境対応ロボットハンドとして、宇宙空間で の実験を行っています。教育分野、民生分野、FA分野の活動を通して、SEED Solutionsの 拡充、信頼性の向上、コストの低減を図ることで、次世代ロボット産業で 使いやすいRTシステムの構築を推進し、次世代ロボット産業の発展に 貢献していきたいと思います。
SEED宇宙アプリケーション例