人-ロボット協調安全用スリーポジションイネーブル装置
[IDEC株式会社]
概要
現在までの約20年間で累計250万台を出荷した実績を持つ、ロボット操作時の予期しない動作から回避する安全装置。この装置の国際規格は同社の取組を通じて策定され、人-ロボット協調空間における安全確保のスタンダードとして高いシェアを獲得。
評価のポイント
特許取得のみならず国際規格づくりを成功させることで高いシェアを確保し、多くの産業用ロボットメーカーのみならず工作機械への使用を実現したという意味において、要素技術としての点だけでなくビジネス・社会実装の面でも評価。ロボット革命が始動した2014年前後より、人-ロボット協調環境での重要な安全装置として、一層の応用開発を推進することで、100万台出荷を達成した。
人間工学的安全技術・応用技術開発と、日本リードでの 国際規格づくりによるグローバル市場創造
IDECは、ロボット操作における人の安全装置として、スリーポジショ ンイネーブル装置の技術開発と製品化を1997年から開始。日本 リードでの国際規格づくりにも成功し、現在までの約20年で累計 250万台をグローバル市場で出荷。特に、この約3年間だけで 100万台を出荷し、ロボット革命の成功を加速させる応用開発等を 積極的に推進中。
人‐ロボット協調安全のキーデバイスとしてグローバル市場での応用開発を推進
第1期(1997年~): 要素技術開発
世界に存在しない“人間工学”に基づく考え方の安全装置として、 日・独・米・仏等での国際学会で発表、IDECが安全コンセプトの提 案・研究開発・製品化で世界をリードしました。 【最初は「OFF」-軽く握って「ON」-強く握って「OFF」状態のスリー ポジションスイッチング機構が独創的であり、信頼性や安全性が高 く、20年に亘ってロボット操作における協調安全のデファクトスタ ンダードとして世界で利用されています。】
第2期(2003年~): 国際標準開発
この装置の国際規格が存在しなかったため、経済産業省の支援 でIDECがリードしてIEC規格づくりを成功させ、同時にISOロボット 安全規格創成にも貢献しました。
第3期(2008年~): グローバルユーザとの擦合せ技術開
国際標準化成功により、日本の主要ロボットメーカのみならず、 スウェ-デン、スイス、ドイツ、オーストリア、米国、そして中国等のロ ボットメーカや、自動車業界のようなロボットユーザ等に広く浸透 し、ロボット操作用のティーチングペンダントやグリップ装置への搭 載が不可欠となり、推定世界シェア90%を実現しました。
第4期(2013年~): 応用技術開発
日本でのロボット革命、ドイツにおけるインダストリー4.0など の推進による「第4次産業革命」で、ロボットの活用が自動車製造 分野のみならずサービス分野にまで拡大し、また、マスカスタマイ ゼ―ション(多品種変量生産)の社会実装が始まっています。この 状況において、製造業では従来のロボットを柵で隔離する安全の みならず、人-ロボット協調による生産性と安全性の同時実現が望 まれ、「協調安全」を新コンセプトとし、応用開発される時代に突入 しています。 本装置は、人-ロボット協調における重要な安全装置として認識さ れ、ダイレクトティーチングやハンドガイドといった操作にも不可欠 となり、この約3年で一層の応用開発を推進、100万台出荷を達成しています。
IDECは、人間工学に基づく安全技術開発と製品により世界を リードしてきており、今後も先進性と独自性により協調安全分野の 技術開発で貢献して参ります。