スマーター・インクルーシブ・ダンス
【東北大学/国立長寿医療研究センター/パラマウントベッド株式会社/株式会社Shiori】
概要
障がいの有無や種類・程度を問わず、全員が共にダンスを楽しむためのプロジェクト。技術面ではユーザーの体に装着した部位の傾きを検知する慣性センサや装着型モーションキャプチャシステムと、それらと介護ロボットをつなぐネットワークシステムが特徴。ユーザは体でロボットを動かすことができるため、ジョイスティックなどの操作デバイスを動かす必要がなくなり、両手を使ったより表現力豊かなダンスを踊ることができるようになる。
評価のポイント
世代や障害の有無を問わず、すべての人々が社会に積極的に参加できる高い包摂性を持つ社会の実現を目指しており、その社会的ニーズは極めて高い。市販の福祉介護機器を活用し、特別なチューニングを必要としないシステムはユーザビリティも高く、多くの人々に利用しやすい点が評価される。特に、VR環境や触覚提示技術を用いた視覚障害者への配慮は先進的であり、ダンスを通じた感情表現や社会参加の促進は、リハビリテーションや認知症予防にも寄与する可能性が期待される。
AIロボット技術の活用により、世代も障がいも国境も越えて、 ダンスをより自由に、より創造的に、より包摂的に
スマーター・インクルーシブ・ダンスとは
近年、日常生活を支援するロボットへの期待が高まっています。 特に、高齢者や障がい者を対象とした立ち上がりや移動を支援する ロボットの開発が進んでいますが、これらのロボットが日常支援を提 供するだけでは、社会参加を促進することは難しいです。社会参加 を積極的に行うためには、取り組みに「わくわく感」を感じ、挑戦した いと思わせる仕組みが必要です。ダンスは健康増進やコミュニケー ション手段として注目されており、私たちは高齢者や障がい者が一 緒にダンスを楽しむロボットの開発を進めています。このロボット は、身体の動きを計測するセンサーと様々な介護ロボットがネット ワークを介してつながり、ユーザーの能力に応じたダンス支援を提 供します。このプロジェクトを通じて、世代や障がいの有無を超えて 誰もが同じステージでダンスを楽しむことを目指しています。
開発ロボットシステムの特徴
私たちの開発したロボットは、ユーザーの体に装着したセンサー を用いて体の動きを検知し、ネットワークを介して介護ロボットに情 報を伝えるシステムです。これにより、ユーザーはジョイスティック などの操作デバイスを使わずに、体の動きだけでロボットを操作し、表現力豊かなダンスを踊ることができます。また、ユーザーの障が いの部位や程度に応じてセンサーの装着場所や制御パラメータを 調整し、個別にカスタマイズされたダンス支援を提供します。さら に、仮想環境(VR)を用意し、仮想環境内のロボットを動かして練習 し、実際のステージでダンスを楽しむことも可能です。
社会的インパクトと今後の展望
この取り組みは、多様な専門家が協力して行われています。従来 のダンス支援システムでは、表現が限定されていましたが、私たち のロボットはセンサーで自由に操作でき、新しいダンス表現を可能 にします。これは、ダンスの身体表現に取り組んでいた研究者にも 大きなインパクトを与え、新しいダンスへの取り組みの道を開きま した。また、健康増進や生活の質の向上、新しいリハビリテーション の方法論の構築にも貢献しています。さらに、フランス、カナダ、南 アフリカのチームと共同プロジェクトを進めており、今年9月のパ リ・パラリンピックの関連イベントでデモンストレーションとショーを 実施しました。この取り組みは、世界中で受け入れられ、多くの人々 にポジティブな影響をもたらし、健康で充実した生活と社会全体の 福祉向上に貢献すると期待されています。