リトルキーパス(図左)/ロボットアシストウォーカーRT.1(図右)
[株式会社幸和製作所/RT.ワークス株式会社]
概要
ロボット技術を搭載した歩行器で、既存の歩行器における上り坂での利用者の足腰への負担、下り坂で加速することによる転倒危険性があったものを、各種センサー類を活用し制御することによりあらゆる場面でのオートサポートが可能。「リトルキーパス」は歩行そのものが困難な人、「RT.1」は歩行が可能であるが買物荷物の運搬が困難な人に対応。
評価のポイント
社会的ニーズが明確であり、技術的に良く練られているほか、すでに商品化され将来の展望も明確である点を評価。また、今年7月に「リトルキーパス」が厚生労働省より「自動制御機能付き歩行器」のカテゴリーで介護保険の対象に認定されており、時期的にも授賞対象として適当。
日本初の自動制御機能付き歩行補助機器
世界一の高齢社会ニッポン
総務省の国内人口推計によると、65歳以上の高齢者の人口が 3,461万人を突破し、高齢者の総人口に占める割合が27.3%と 過去最高を更新しています。 高齢者がより長く健康的で豊かな生活を過ごすために、我々は 「歩く」という行為に着目しました。「歩く」ことは、高齢者にとって下 肢の筋力の増強や骨量の維持などの身体的な効果以外にも、足か ら脳に適度な刺激を与え続けることで「脳の老化」の防止にも効果 的であり、また内臓の働きを助けたり、免疫力の増加や生活習慣病 の予防など健康の維持にも効果的です。 しかし、加齢により足腰が弱ってくると、長時間歩くことが辛くな り、行きたい場所まで行けなくなったり、転倒が心配で外出を控える 方が増えてしまうのも事実です。そんな外出をためらう高齢者の外 出をサポートする機器として、杖、シルバーカー、歩行車等の福祉用 具があります。そして、2000年に施行された介護保険法のレンタ ル制度により、少ない自己負担で利用できる歩行車のニーズが増 加し、2016年現在では施行時の10倍以上の方が歩行車を利用し ている状況です。
より安全に「歩く」ためのロボットテクノロジー
歩行補助車であるシルバーカーは日本発祥の文化であり、 1970年に幸和製作所が日本で初めて開発した製品です。 以降、半世紀近く高齢者の歩行をサポートしてきた機器ですが従 来品ではどうしても解決できない課題がありました。 それは、傾斜面での利用者へのサポートと転倒防止に対する対 応です。車輪が付いている構造上、上り坂では平地よりも押す力が 必要になり、下り坂では行き過ぎないようにブレーキ等で速度を調 整する必要がありました。また、躓き等で急に車体を押す力が加 わってしまった場合には、その力で車体は前に進んでしまい、躓いた 利用者の身体を支えることが出来なくなることがありました。これらの課題をロボットテクノロジーの活用によって解決し、今まで以上 に安心して歩ける歩行補助機器を開発しました。 なお、機能安全において、「RT.1」は生活支援ロボットの国際安全規格ISO13482の認証を取得しました。
用途や利用対象者に合わせた歩行補助機器
「リトルキーパス」は利用環境や転倒リスク等で従来の歩行車の 利用を諦めてしまった方の歩行機器の選択肢を広げ、「自分の足で 歩くことを諦めない」ように「歩く」ことで豊かな生活を継続して頂 くことを目指しています。 「RT.1」は自分の足で歩ける方が利用対象者であるシルバー カーにロボットテクノロジーが付加されています。 更に、通信機能を搭載し、GPS位置情報により現在どこを歩いて いるか家族が確認できたり、歩行情報から歩行距離や活動量を計 測したりすることで、利用者の行動範囲を広げ、「より活動的に」なっ て頂くことを目指しています。 これらの歩行補助機器が広く活用されることで高齢者の健康寿 命を延伸させ、多くの笑顔を創り出すことが我々の願いです。
歩行能力に合わせてサポートの強弱設定が可能