HG1T/HG1H形小形ティーチングペンダント
[IDEC株式会社]
概要
ロボットの動作を教示するために必要不可欠な装置として、ロボット業界として世界で初めて、ハードウェア・ソフトウェア・安全技術の標準化構造とし、特にソフトウェアの利便性を高め、ロボットメーカーでの開発費用の大幅削減(90%減)を実現。ロボットのティーチング用の基本的な操作を網羅した標準システムソフトを搭載するとともに、カスタマイズにも対応。イネーブルスイッチと非常停止スイッチを搭載するなど、安全にも配慮している。産業用ロボットの縁の下の力持ち的存在で、これまでに累計14,000台を販売し、前年度比190%を超えるスピードで伸長している。安全性および人と直接ふれるインターフェースの重要性に注力し、国際規格の策定にも積極的に取り組んでおり、国際市場での標準ペンダントとして期待が大きい。
評価のポイント
ロボットには必要不可欠な装置
ティーチングペンダントとは、ロボットの動作を教示 するために必要不可欠な装置です。今回、ロボット業 界として世界で初めて、ハードウェア・ソフトウェア・安 全技術の標準化構造とし、ユーザでの開発費用の大 幅削減(90%減)を実現しました。ロボット操作端末 としての利用のみならず、半導体関連装置や搬送装 置、工作機械などにも採用され、現在、20数社に採 用されています。
① 従来の小形ペンダントの画面はキャラクタ表示が 主流で視認性に乏しいものでしたが、業界で初めて、パソコン上で自由にユーザが作画できるツールを提 供し、表現が豊かで画面の視認性の大幅な向上、ソフトウェア開発の簡便化と画面自由度アップを実現しています。
②操作者の立場に立って、操作しやすいユーザフレ ンドリーなペンダントを開発するコンセプトに基づ き、人間性工学に配慮したデザインで、ドイツのIFデ ザイン賞や日本のグッドデザイン賞を受賞していま す。イネーブルスイッチを左右どちらの手でも操作 でき、手の大きさや利き手を選ばず、長時間のティー チング作業でも疲れにくいデザインとしています。
③安全技術で世界をリードする先進の3ポジション イネーブルスイッチと非常停止用押ボタンスイッチ をペンダントに標準搭載し、ロボット業界への国際安 全規格の導入や安全な作業環境の提供に貢献して います。これらの安全機器は、独自に自社開発すると ともに、3ポジションイネーブルスイッチの国際規格 の創成には、当社技術者が、IEC国際委員会委員(日 本代表)として規格内容全体を作成し、またロボット 安全規格についてもISO国際委員会委員(日本代 表)として関連部の規格原案を作成するなど、日本 発国際規格創成の一翼を担っています。
世界が認めた安全性
①2007年1月に、より多くのアプリケーションに対 応できるよう、小形・軽量タイプの新機種として HG1H形を追加発売しました。小形ながら最大4b 接点に対応可能な非常停止用押ボタンスイッチと3 ポジションイネーブルスイッチを搭載し、ロボットの 国際安全規格への適合を容易にしています。この発 売効果により、HG1T/HG1H形の今年度の出荷台 数は、対前年度比224%の伸びを見込んでいます。 ②当社は、国際安全規格に適合したティーチングペ ンダントを始め、各種安全機器のメーカとして全世界に製品を供給するとともに、安全防護対策等の安 全技術導入促進や、あらゆる製造現場のリスクアセ スメントをサポートし、日本のものづくり設備の安全 化を支援しています。
大幅な開発コストの削減
①ティーチングペンダントの開発には、金型・基板製 作、ハード・システムソフト設計費等、多額な開発費が 必要でしたが、当社の標準化されたペンダントで ユーザの要求仕様を擦り合わせて開発を行うこと で、90%以上の大幅な開発コスト削減効果を実現 しました。 ②メンブレンスイッチ部のスイッチ数、色・文字など のデザインは、ユーザの要求に合わせて製作できる 構造とし、利便性・実用性の向上を図っています。特 にHG1T形はメンブレンスイッチ部のシートを着脱 可能な構造とし、仕向け地による言語表記の切り替 えや機種変更をユーザがシート交換によりワンタッ チで行えるため、製品維持コストや在庫削減に効果 的です。
安全技術開発のトップランナーとしての使命
ティーチングペンダントは人が直接操作する機器な ので、安全性に対する更なる向上が必要かつ重要で す。また、ティーチングペンダントの今後のトレンドと してワイヤレス化のニーズが増大しています。 現状、非常停止やイネーブルスイッチ等の安全信号 をワイヤレス化して安全を確保することに技術的な 壁が存在しています。これらの新たなニーズに対し、 安全技術開発のトップランナーとして、当社の制御 安全技術・機能安全技術・ロボット関連要素技術をフ ル活用することで製品化に着手しており、今後もロ ボットシステムの安全技術は、当社が牽引できるよう 開発を推進していきます。