自働化コンテナターミナルシステム
[株式会社豊田自動織機/飛島コンテナ埠頭株式会社/三菱重工マシナリーテクノロジー株式会社]
概要
評価のポイント
先進的なコンテナターミナルシステムの開発
コンテナターミナルの役割/ターミナルの課題と対応
コンテナターミナルは、コンテナの海上輸送と陸上輸送を結ぶ 中核的な港湾施設です。コンテナ船が接岸してコンテナを積み降 ろしする作業だけでなく、コンテナを一時的に保管する機能を有す るほか、国際貨物の輸出入時の保税地域としての役割も果たして います。 輸入時、ガントリークレーンで船から降ろされたコンテナは構内 トレーラ等により搬送され、ヤードクレーンで降ろされます。ヤード に一時保管されたコンテナは、引き取りに来た外来トレーラに載せ られ、国内流通に乗せられます。輸出はこの逆の流れです。
ターミナル運営会社は次の3つの課題を抱えています。 1. 各国ターミナル運営会社間の競争激化 2. コンテナ船大型化で伸長する停泊時間の短縮 3. 将来の少子高齢化により熟練作業者の確保が困難な予測 これらの解決手段の一つとして自働化による効率向上が注目さ れており、今回世界初の横型レイアウト自働化コンテナターミナル システムを開発しました。 本システムはAGVシステム、遠隔自動RTG、ガントリークレーン がターミナルの作業計画を基に協調動作するだけでなく、特定の ヤードに作業が集中しないよう平準化を行い、AGV渋滞やRTG手 待ちのムダを徹底的に排除することで効率向上を図っています。
自働化コンテナターミナルシステムの特長
従来の自動化ターミナルは船に対してヤードが直角に配置され た縦型レイアウトを採用しています。このレイアウトは、AGV経路 がシンプルかつ外来トレーラと経路が分離しているため、AGVの 制御が容易というメリットがあります。しかし、本来モノを持ち上げ る機能のクレーンを使って搬送をこなすため、クレーンの能力がヤ ード全体の処理能力のボトルネックになります。 そこで今回開発した自働化ターミナルは、さらなる効率改善の 手段として、船とヤードが平行に並ぶ横型レイアウト方式を採用し ました。水平搬送能力の高いAGVが、ヤード内に入り込み広い領 域をカバーすることで、ヤード全体の処理能力の最大化を実現しま した。反面、AGVの経路は複雑化し、高度な交差点制御が必要にな ります。また、AGVとトレーラの動作が交差しますが、AGV運行管 理システムによるAGV間距離の常時監視、遮断機システムによる トレーラの交差点案内、AGV本体のセンサによる周辺監視など多 重化された安全支援システムを構築し、無事故稼働に貢献してい ます。
AGVシステムの特長
1. 交差点ノンストップ制御
横型レイアウトにより複雑になった交差点通過を、キメの細かい 制御でいかに効率よく運行するかが課題でした。AGV運行管理システムにより同じタイミングで交差点に到着しないように各AGV 発車タイミングを制御し、減速、停止による再加速のエネルギーロ スゼロで運行可能なシステムを実現しました。
2. 高速走行、高精度停止
定格荷重30.5トン、全長14,300㎜の大型の車体にもかかわら ず最高速度25km/h、停止精度±20mm以内という高い運動性 能を実現しました。全車軸は独立に操舵・駆動可能のため、高い小回り性に加えて横行運動が可能になっており迂回や退避の複雑な 動線に対応できます。
交差点ノンストップ制御のイメージ
遠隔自動RTGの特長/今後の展開
管理システムからの指令を無線伝送により受信し、有人トレーラ へのアクセス以外の全ての荷役を全自動で運転します。RTGには 運転員は乗らず、有人トレーラへのアクセスは高齢者でもきつくな い作業環境の遠隔操作室から実施します。自動RTGの導入により、 ターミナル全体での作業の平準化を行うことが可能となり、荷役能 力が向上します。本システムは、日本で唯一の自働化コンテナターミナルとして名 古屋港飛島村で稼働しています。24時間365日稼働可能な高効 率モデルシステムとして高い評価をいただいております。 今後はさらなる効率向上を目指し、システムおよび機器の性能 向上に努めてゆきます。