静電容量型力覚センサ「Dyn Pick®」
[株式会社ワコーテック]
概要
評価のポイント
静電容量型力覚センサの商品化
「力は物理量の基本」
「力は物理量の基本」、この言葉をスローガンとして、2007年に 株式会社ワコーテックを設立しました。力は物理量の基本にも関わ らず、他のセンサである、光、温度、湿度、加速度、角速度などは数千 億円の市場を形成しているにも関わらず、「力センサ」は日本国内 でも数億円の小さな市場でした。従来、「歪ゲージ式」の力覚セン サがありましたが、高額で且つ壊れやすく、使い勝手も優れている とは言えない製品でした。この点に着目し、従来より、低価格で信頼 性、耐久性に優れ、使いやすい静電容量型力覚センサを開発し、 2012年に製品化し販売を開始いたしました。
静電容量型6軸力覚センサ
「Dyn Pick」の原理構造とメリット
6軸力覚センサと言っても、一般的に知られてはいないセンサです。6軸とは並進力3成分(Fx,Fy,Fz)とモーメントの3成分 (Mx,My,Mz)の合計6成分を意味します。Dyn Pick は6軸成分を 検出できる製品です。 従来の他社製品は、ロードセルと同様に「歪ゲージ」を起歪体に 貼り付け、起歪体に荷重やモーメントが作用したときの抵抗値変化 で6軸成分を検出していました。歪ゲージを手作業で貼付すること から、生産性に劣り、高額(50~200万円)で、また、出力信号が微 小なことから増幅や補正が難しく、外付けの補正BOXが不可欠で した。また繰り返しの過負荷で歪ゲージが剥がれるという問題があ りました。 ワコーテックの静電容量型6軸力覚センサ「Dyn Pick」は、歪ゲ ージ式と原理が大きく異なり、2組の並行平板(電極)で6軸成分を 検出でき、非常にシンプルな構造で低価格を実現しました。6軸成 分を受けるメカ機構部と静電容量の変化を検出する電子回路部があり、その出力信号をセンサ内部に搭載された32bitのマイコン にて信号処理して出力します。また、大きなメリットとしてワコーテ ック独自の過負荷対策ストッパー機構もセンサに内蔵されていますので、過負荷で破壊することはありません。
市場の導入例/製品ラインナップ
ワコーテックの静電容量型力覚センサ「Dyn Pick」は、産業用ロ ボットへの導入が盛んに進んでいます。産業用ロボットは、主に生 産用のニーズから人間の代わりに物を生産するものとして発展し てきましたが、現在では、スマートフォンをはじめ、多機能で且つ携 帯性を重視したデバイスが急増し、タブレット端末やPCまでも、小 型薄型軽量化を求められています。このようなデバイスを組立てる 作業はアジア各国が非常に強いのですが、昨今の人件費高騰化時 期に入り、人海戦術が難しくなってきています。それに代わるのが 産業用ロボットと考えていますが、先に述べたような組立てを行う 対象の製品が小型薄型のデバイスのため、画像処理等の機能のみ では組立作業が困難です。そのため、組立などでは人間のような 「力の感覚」を取り入れる必要が出てきています。人は目と指で壊 れやすいプラスチック部品でも繰り返し組立てることで、作業を習 熟することができますが、産業用ロボットで、カメラで物体の形状を 認識しても、力の感覚を検知する事ができません。これに6軸力覚 センサを産業用ロボットに搭載する事で、従来では出来なかった、 壊れやすい部品も容易に組立てたり、嵌合させたりすることが出来 るようになってきました。最近では、年毎に力覚センサの需要が伸びています。
ワコーテックの静電容量型力覚センサDyn Pickは、主に6軸検 出できる製品をメインに販売しています。その中でも産業用ロボッ トに様々な可般重量があるように力覚センサも荷重の選定ができ るように取り揃えています。 このほかにも、小型のMini Dyn Pick、更に超小型のμDyn Pickがあります。
1. 200Nタイプ(型式:WEF-6A200-4)
Fx,F,yF,z:200N Mx,My,Mz:4Nm
2. 500Nタイプ(型式:WEF-6A500-10)
Fx,F,yF,z:500N Mx,My,Mz:10Nm
3. 1000Nタイプ(型式:WEF-6A1000-30)
Fx,F,yF,z:1000N Mx,My,Mz:30Nm
左: Mini Dyn Pick(φ18) 6軸力覚センサ検出軸 従来のひずみゲージ式の補正BOXと補正機能内蔵のDyn Pick 右: μ Dyn Pick(φ10)
出力形態/今後の展開
6軸力覚センサを接続する様々なお客様のご要望を受けて出力 形態も充実させています。
1. USB(変換ケーブル)
2. RS422
3. Analog(変換BOX)
4. Ethernet(変換BOX、専用内蔵モデル)
現在、新型の超薄型3軸力覚センサや6軸力覚センサもお客様 のご要望で販売予定です。産業用ロボットでは力制御を用いた工 程が増えてきています。製品ラインナップにも無い形状や定格荷 重などでのカスタムも随時対応しております。今後も力覚センサの 市場拡大のために様々なご要望を受けて対応していきます。