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Excellence Award (Research and Development Division)優秀賞(研究開発部門)

高速道路のトンネル覆工コンクリートにおける時速100km走行での4K高解像度変状検出システム

[東京大学・中日本高速道路株式会社]

高速道路のトンネル覆工コンクリートにおける時速100km走行での4K高解像度変状検出システム

概要

高速道路の点検において、高速カメラ、高速画像処理及び回転ミラーなどの高速光軸制御動作により、時速100km走行時に生じるモーションブラーをリアルタイムに補償し、静止時と遜色ない鮮明な4Kレベルの高解像度・高分解能画像を連続して取得可能である。特殊車両を必要とせず、普通車両の上部に市販のルーフキャリアを利用して装置を着脱可能であることから、搭載車両が通常巡回するだけで点検可能な製品である。

評価のポイント

研究開発に留まらず、すでに高速道路での実証実験を進めている。一般のパトロール車に搭載し、車線規制が行われていない通常の状態の高速道路上を100km/hで走行しながら、定められたクラックを鮮明に捉えることに成功している。高い可能性を秘めた技術およびアプリケーションであり、実用化への期待を込めて評価した。

時速100km走行で巡回車両を用いて 0.2mm以上のひび割れを検出

より高頻度なインフラ点検の必要性

高速道路のトンネルのうち、約3割が供用後30年以上経過して おり、老朽化による事故を防ぐため効率の良い点検が望まれていま す。トンネル覆工コンクリートは5年に1回の点検作業員による詳細 点検が行われていますが、コストと精度の観点から、より高頻度か つ正確に点検可能なシステムが道路管理者によって求められてい ました。これまでにも走行型の点検システムが登場しておりました が、本システムではより一層ユーザーのニーズに合わせて開発を進 めました。本システムは時速100km走行中に、0.2mm幅のひび 割れを高解像度で撮影可能です。交通規制や専用の車両・点検員 が必要なく、より高頻度に劣化・損傷を把握することで、安全で強靭なインフラが低コストで運用可能な社会の実現に貢献します。

4K高解像度変状検出システム

本システムは、高速カメラ・高速画像処理・回転ミラーなどを利用 し、モーションブラーをリアルタイムに補償し、静止時と遜色ない鮮 明な4Kレベルの画像を連続して取得可能です。回転ミラーの光軸 制御技術により露光時間の延長、装置の小型化や取得画像の高解 像度化に成功しました。高解像度化したことで、すす等で変状が見 えづらい箇所でも活用でき、露光時間を長くしたことで、必要な照 明の光量を減らし他のドライバーの脇見運転の誘発防止や点検員 の安全に配慮しています。  装置は普通車両(写真はトヨタ サーフ)の上部に市販のルーフ キャリアを利用して取り付けることができます。高速道路では巡回車両が、毎日何度も走行しているため、その車両に装置を搭載して撮影するだけで点検が可能となります。装置小型化のためカメラは1台のみの搭載ですが、サーボモー ターが走行毎に円周状に撮像角度を切り替え、白線認識によるリア ルタイム車両位置情報を用いて、狙った角度を撮影し続けることで データを蓄積し、トンネルの展開図を作成します。

実績と今後の展開

車線規制されていない高速道路にて現地試験を行いました。そ の結果、東名高速道路 日本坂トンネルの規制内において時速 100kmで0.2mmのひび割れを検出することができました。さら に、東海環状自動車道の鞍ヶ池トンネル(時速100km)及び東海北 陸自動車道の飛騨トンネル(時速70km)において展開図の作成に 成功しました。撮像後の画像は変状検出プログラムに処理され、 0.2mm以上のひび割れを検出したことで、本システムの有効性を 確認しました。  更に、トンネルのひび割れのみならずサーモカメラでの撮像に応 用することで、浮きや剥離などの内部変状も移動しながら計測する ことに成功しました。今後は鉄道や飛行機の滑走路等の交通インフラや、工場のライン等の高速点検等にも応用することで、高精度と 高効率の両立が望まれる点検領域への貢献が期待されます。

点検システムの概要

点検システムの概要

お問合せ先

東京大学、中日本高速道路株式会社

住所: 東京都文京区本郷7-3-1 工学部6号館、愛知県名古屋市中区錦2-18-19
担当: 情報基盤センター 早川 智彦、技術・建設本部 環境・技術企画部 技術企画・開発課 大西 偉允
Tel: 03-5841-0224、052-222-3623
E-mail: contact@ishikawa-vision.org、y.onishi.ac@c-nexco.co.jp