鉄筋結束ロボット「トモロボ」
[建ロボテック株式会社]
概要
建設生産での主要部材となっている“鉄筋コンクリート”の中で補強材として格子状に並べられている鉄筋の交点を針金で緊結し固定する作業を人の代わりに行う人協働ロボット。鉄筋結束作業は、結束数が非常に多く(一人あたり6000〜8500箇所)、腰を曲げた状態で長時間作業を行う必要がある過酷作業だが、市販の手持ち電動工具をセットするだけで、鉄筋工事における単純作業である結束作業を自動化が可能となる。
評価のポイント
簡単な機構で、軽量かつ安価で効率よく、自動的に移動しながら鉄筋を効率的に結束することができる、ユーザーにとって非常に使いやすい鉄筋結束ロボット。技術的工夫については国内外の特許も取得し、販売・レンタルの事業で、多くの現場での導入実績もある。鉄筋結束作業における身体的な負荷の軽減に貢献し、建設現場における労働力不足に対し、省人化・生産性向上を実現するロボットであるという点で、社会的なインパクトは大きい。
人と共に働く協働型ロボット「鉄筋結束トモロボ」
建ロボテックのミッション
建ロボテック株式会社は、「世界一ひとにやさしい現場を創る」と いうミッションを掲げ、事業を推進しています。我々は急激な建設従 事者の減少という業界が抱える大きな課題に対し、単純・大量作業 を担うロボットの開発・提供を通じて、この問題解決に取り組んでい ます。
鉄筋結束トモロボの概要
建設現場ではコンクリートの補強材として「鉄筋」と呼ばれる鉄 の棒が格子状に並べられており、その交点を針金で結ぶという鉄 筋結束作業が日本だけでなく世界で存在しています。現在は職人 たちが田植えのように腰を屈めた姿勢で作業をしており、一般的 に8時間労働で1人当たり6,000~8,000ヵ所の交点を結束し ています。 我々が開発したトモロボは、この鉄筋結束作業を人と共に働く ことを前提に開発した協働型ロボットになります。 鉄筋上を走行しながら本体側面にある黒い部分が上下し、下 がったときに針金を交点に固定しています。この交点の検知は磁 気センサーを採用し、真っ暗闇でも作業できるような状況にして います。トモロボの特徴は、職人が使用している市販の電動結束 工具を人の代わりに使うロボットのため、低価格化が実現していま す。結束箇所数は人作業時の1.3倍・約11,000ヵ所の結束を行 うことができます(8時間稼働時)。トモロボは人が並べた鉄筋上を レールにする走行方法を採用しているため、人的作業誤差への対 応が必須になります。建設現場では鉄筋設置の許容誤差は10% と言われているため、誤差があったとしても脱線せずに走行が可 能です。通常であれば作業誤差に対して高度なセンシング技術が 必要になり価格が高額になってしまいますが、我々はスリーモ ジュールバランス構造という独自開発の構造によって極めて安価に解決しています。これにより、人的作業の誤差にも柔軟に対応で きるロボットになっています。 トモロボは2020年の上市後は販売で提供しておりましたが、 日々改良を続けているためいつでも最新型が利用できるように 現在はレンタル提供を行っており、導入現場数は150を超えてい ます。
世界に進出するトモロボ
我々は国内外で複数の競合を確認していますが、開発中止や非 常に高価なものになっているなど実用には至っておりません。海 外製品と比べても、トモロボは確実に効率的に鉄筋結束を行う唯 一のロボットソリューションであると認識しています。我々は世界 での提供も目指しており、アメリカ・シンガポール・韓国・スペイン では既にトモロボの稼働が始まっています。今後はさらにトモロボ を世界に広め、国内外の様々な場所で活躍し、作業者の負担軽減・ 生産性向上に貢献していきたいと考えています。
シンガポールでのトモロボデモ運用の様子